
Index目次
① アルマイトとは?
アルマイトとは、アルミニウムの表面に
人工的に酸化皮膜を形成する表面処理です。
この皮膜によって
- 腐食しにくくなる
- 摩耗に強くなる
- 電気を通しにくくなる(絶縁性)
といった性質が付加されます。
「皮膜」と「被膜」の違いについて理解出来てない方は以下の記事をご確認下さい。
② なぜアルミはアルマイトが必要?
アルミはもともと空気中で酸化し、
自然に薄い酸化皮膜を作ります。
しかしこの自然にできる皮膜は非常に薄く、
実際の使用環境では十分とは言えません。
例えば
- 水分や塩分がある環境
- 異種金属と接触する場合
- 高湿度・高温環境
こうした条件では腐食が進行する可能性があります。
アルミの腐食原因を知っているだけで対策できることがあります。
使用環境によって腐食リスクが違います。
③アルマイトの仕組み
アルマイトは、電解処理によって
アルミ表面に酸化皮膜を成長させる技術です。
特徴的なのは
皮膜が「乗る」のではなく、母材と一体化して成長する点
そのため
- 密着性が高い
- 剥がれにくい
- 均一な性能が得られる
というメリットがあります。
この構造の違いが、実はクラックや摩耗の発生にも関係します。
クラックはなぜ発生するのか説明できますか?
アルマイトは絶縁性を持っています。
④ アルマイトの種類
アルマイトにはいくつか種類があり、用途により選択が変わります。
■ カラー(染色)アルマイト
外観部品などの意匠品の装飾目的
黒以外の色については展伸材限定で着色が可能です。
■ 普通アルマイト(白アルマイト)
- 外観・防食目的
- 比較的薄い皮膜
■ 硬質アルマイト
- 高硬度
- 耐摩耗性が高い
■ 潤滑性アルマイト
- 摺動部に適用
- 摩擦低減
潤滑が必要な環境では、通常のアルマイトでは
焼付きやカジリが発生することがあります。
特にグリスが使えない環境では、
表面処理そのものに潤滑性が求められます。
そのような用途で採用されているのが潤滑性アルマイトです。
摺動部への採用を検討しているのであれば先ずは基本をこちらの記事でおさらいして下さい。
摺動部の耐摩耗焼き付きや偏摩耗の対策で実績多数!
カシマコートの実力を是非確認してください。
■ シュウ酸アルマイト
- 耐食性に優れる
- 皮膜が緻密で安定性が高い
- 硫酸アルマイトより処理条件が限定的
シュウ酸を電解液として用いるアルマイトで、
一般的な硫酸アルマイトとは異なる特性を持ちます。
特に耐食性や面粗度が求められる用途で使用されますが、
処理条件やコスト面から採用されるケースは限定的です。
耐食性・硬度・面粗さ全てを兼ね備えた贅沢なシュウ酸アルマイトの詳細もご確認下さい。
⑤ 膜厚で何が変わる?
アルマイトは「膜厚」によって性能が変わります。
例えば
- 薄い → 外観・軽防食
- 厚い → 耐食性・耐摩耗性向上
ただし、厚くすれば良いわけではなく
用途に応じた最適設計が必要です。
膜厚の過剰・不足のリスクについてはこちら。
些細な差ではありません20μと30μの違い知っていますか?
⑥ 材料による違い
アルマイトは、アルミの種類によって仕上がりが大きく変わります。
例えば
- A5052 → アルマイトとの相性◎
- A6061 → アルマイトとの相性◎
- ジュラルミン → アルマイトとの相性△(厚幕は不可能)
- ADC12 → アルマイトとの相性△(厚膜は不可能)
材料の違いによって特性も変わります。
アルマイトと相性が良い素材
ジュラルミンの腐食について簡単に説明します。
⑦ 注意のポイント
ルマイトは万能ではなく、設計や使用条件によってはトラブルが発生します。
トラブルの代表例
- クラック(割れ)
- 面粗さの変化
- 異種金属接触による腐食
- 寸法変化
クラックは原因を知れば対策できます。
あまり知られていない面粗さのコントロールの話!
知っているようで知らないガルバニック腐食の対策
【見落としがちな対策】温度変化による寸法変化も理解しましょう!
⑧ どんな用途で使われる?
●摺動部品 → 摩耗・焼付き対策として使用
●建材 → 屋外環境での耐食性向上
精密部品 → 寸法安定・絶縁用途
⑨ 次に読むべき記事
▶ アルマイトの仕組みをもう一度整理したい
▶ メッキとの違いを理解したい
▶ 摩耗・焼付きで困っている
▶ 腐食トラブルを防ぎたい
技術相談はこちら
用途・材質・使用環境が分かれば、最適なアルマイト仕様を提案できます。
「この条件で問題ないか?」レベルでもお気軽にご相談ください。