2024.03.19 更新

日本のアルマイトの始まりと発展の歴史について知ってますか?

アルマイト(アルミニウムの陽極酸化被膜)は、アルミニウムに酸化皮膜を生成させる処理を行った被膜の通称であり、主にアルミニウム製品の表面を耐摩耗性や耐食性を向上させるために行われます。 アルマイトの歴史は20世紀初頭に遡り、その後100年以上の時をかけさらに技術の進化と応用範囲が拡大され、今もなお広く使用されているアルミニウムの表面処理の一つです。 以下は、日本におけるアルマイト開発の歴史についての一般的な概要です。

1.初期の発見と開発(1920年代)

アルマイトの開発は、耐熱性の電気絶縁皮膜を得る為に1920年代に理化学研究所の鯨井恒太郎博士、植木栄氏らにより発明された事に始まりました。

2.成長と工業的応用(1930年代〜1940年代)

その後宮田聰博士により(1931年)特許登録され理化学研究所がしゅう酸法による陽極酸化皮膜を「アルマイト(登録商標)」と命名し、技術が発展し、弁当箱・ヤカン・鍋等の民生品が市販されアルマイトという名称も一般に普及する。

後に工業的な応用が広がり、主に航空機部品や軍需品など、耐摩耗性や耐食性が要求される用途で使用されるようになりました。

3.戦後の普及(1945年以降)

戦前のしゅう酸法アルマイトの普及によりアルマイトの色は金色というイメージが定着し日本では現在主流となっている硫酸法アルマイトの普及は欧米より10年以上遅れて普及する事となります。

戦後、アルマイト技術は器物、カメラなどの意匠部品へ拡大し、染着性の良い硫酸皮膜が主流となり、次第にアルミニウム製品の表面処理として、アルマイトは耐摩耗性や耐食性の向上に無くてはならない技術となり、自動車部品や電子機器などの広範な分野で使用されるようになりました。

4.技術の進化(20世紀後半以降)

アルマイトの製造技術は次第に進化し、より効率的で環境に優しいプロセスが導入されました。潤滑性等の新たな特性を持つアルマイトも開発され、これにより、より広範な用途でアルマイトが利用されるようになりました。

5.現代の応用(2000年代以降)

アルマイトは現代でも広く使用され、アルミニウム合金の耐食性、耐摩耗性、外観の向上などに寄与しています。自動車産業、航空宇宙産業、電子機器など多岐にわたります。

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