2025.03.11 更新

アルマイトと相性が良いアルミ合金を知ってますか?

アルマイト(陽極酸化処理)とアルミ合金の相性は非常に重要で、使用するアルミ合金の種類によってアルマイトの仕上がりや性能が大きく変わります。

各アルミ合金とアルマイトの相性

アルミ合金は主に純アルミニウム系(1000系)アルミ合金系(2000系~7000系)に分かれそれぞれアルマイトとの相性が異なります。

1.1000系(純アルミニウム)

主な合金の種類:A1070、A1050,A1100

  • 相性:◎(非常に良い)
  • 高純度のアルミニウム(99%以上)
  • 均一で高品質な酸化被膜が形成される
  • 特徴:耐食性が高く、美しい仕上がりになる
  • 用途:装飾用途や高耐食性を求める部品

2. 2000系(Al-Cu系合金)

主な合金の種類:A2014、A2017,A2024、A2011

  • 相性:△(あまり良くない)
  • 銅(Cu)を含むため、耐食性が低い
  • 厚膜の皮膜を形成する事が難しい
  • 用途:航空機部品、強度を重視する用途

3. 3000系(Al-Mn系合金)

主な合金の種類: A3003、A3005、A3105

  • 相性:○(比較的良い)
  • マンガン(Mn)を含み、耐食性は良好
  • 比較的均一な皮膜が得られる
  • 用途:建築材料、飲料缶

4. 4000系(Al-Si系合金)

主な合金の種類:A4032、A4043

  • 相性:△(条件による)
  • シリコン(Si)含有量が多い為、アルマイト処理との相性は微妙
  • 場所によってSiと反応してグレーや黒っぽく発色する為見た目は良くない
  • 耐熱特性に優れている
  • 用途:ピストン、摩耗部品等

5. 5000系(Al-Mg系合金)

主な合金の種類:A5052、A5056、A5083,A5454

  • 相性:◎(非常に良い)
  • マグネシウム(Mg)を含む、耐食性が高い
  • 良質なアルマイト皮膜が形成される
  • 用途:海洋部品、化学プラント、船舶部品等

6. 6000系(Al-Mg-Si系合金)

主な合金の種類:A6061,A6063、A6N01

  • 相性:〇(良好)
  • 耐食性と機械的強度のバランスが良い
  • 良質なアルマイト皮膜が得られる
  • 用途:建築用サッシ、自動車部品

7. 7000系(Al-Zn-Mg系合金)

主な合金の種類:A7072,A7075、A7N01

  • 相性:△(やや難しい)
  • 亜鉛(Zn)や銅(Cu)を含むため、耐食性が低い
  • 厚膜のアルマイト皮膜を形成する事は困難
  • 用途: 航空機部品、高強度部品

各アルミ合金とアルマイトの相性一覧表

 

この相性については基本的に硫酸を用いたアルマイト処理を基準としております。用いる電解液の種類によって相性は変わってきます。又品質を保証するものでは御座いません。

 

結論

  • 高品質なアルマイト皮膜が必要なら「1000系」や「5000系」
  • 強度とバランスを重視するなら「6000系」
  • 強度は高いが、アルマイトが難しい「2000系」「7000系」は注意が必要

アルマイト処理を検討する際は、目的に応じたアルミ合金を選ぶことが重要です。

又、材質毎に成分が違い特性が違うためアルマイト処理条件も同じではありません、この辺りはアルマイトメーカーの腕の見せ所です。㈱ミヤキではすべてのアルミ合金のアルマイト処理に対応しております。材質選びのご相談から材質の相性での困りごと御座いましたら㈱ミヤキにご相談下さい。お問い合わせはこちらまで

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