2025.02.11 更新
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アルミダイカスト部品のアルマイト処理後に発生する白粉の原因と対策

アルミダイカスト部品をアルマイト処理した際に、鋳巣(ちゅうす) から白粉(しろこ)が発生することがあります。これは、鋳造特有の欠陥やアルミ合金の組成、アルマイト処理の条件によるものです。以下に、白粉の主な原因と対策 を詳しく解説します。
➀白粉の主な原因
アルミダイカストは鋳造時に鋳巣と呼ばれる微細な気泡が内部に残ることがあり、アルマイト処理の際に酸性の電解液(処理液)が鋳巣内に浸透してしまうことがあります。アルマイト処理後に処理液がゆっくりと表面に染み出し、水分は蒸発し残った硫酸アルミが白粉として析出することがあります。発生のメカニズムについては以下のような順序となります。
1.鋳巣内に侵入し電解液(希硫酸)が残留する

アルマイト処理工程で電解液が鋳巣に侵入する
2.鋳巣内に侵入した電解液が染み出し乾燥後に結晶化
- 封孔処理(90℃)や乾燥で水分が蒸発する
- 白粉(硫酸アルミ)が噴出する
➁白粉に対する対策
一般的には以下のような対策を行います。
- 純水による超音波洗浄 で残留薬品を徹底除去
- 乾燥工程を最適化 し、薬品が析出しにくい環境を作る
- 鋳巣内に侵入した酸性の電解液を薬品(アルカリ性の洗液等)で中和する
鋳巣の大きさや形状、位置もバラバラで鋳巣内の処理液を100%排出させる事は簡単ではありません。
特に困難なのは深い袋タップ孔です。深いタップ孔の底まで洗浄する事は簡単では無く
仮に白粉が発生しても目視で確認する事は非常に困難を極めます。
根本的な解決としては鋳巣発生を0%にする事ですが、現実的ではありません。
現在ミヤキではこの問題に終止符を打つために洗浄工程にメスを入れる活動が始まっています。
活動の成果はまた『あのダイズ』で紹介をしていく予定です。お楽しみに。