2024.10.08 更新

アルマイト皮膜の標準的な検査の方法と種類について

ミヤキにアルマイト処理を依頼すると納品時に検査成績書が発行されます。 標準の検査内容は膜厚測定と外観検査です。 他にも硬度や面粗さ等の検査もありますが、硬度測定は破壊検査となる為、通常検査項目外の検査となり特別に依頼があった場合のみ対応で、時間と費用が必要となります。

①膜厚測定

アルマイト処理を行う場合に最も大切な管理項目は膜厚です。

膜厚測定は渦電流式の膜厚計を使って非破壊検査で行うのが一般的です。

渦電流式の測定の原理

 

膜厚計のプローブが入らない孔や溝の内部の膜厚をどうしてもが必要な場合のみ切断し、断面膜厚を計る事もありますが一般的ではありません。

渦電流式膜厚計は手早く複数個所の膜厚を計る事が出来て複数計った膜厚の平均値が管理値内に収まっている事で合否判定を行います。

②硬度測定

硬質アルマイトの評価項目に硬度がある場合硬度測定を有償(オプション)で承る事があります。硬度測定はマイクロ・ビッカース硬度計で行い、製品と同時に同一素材の端材(ダミー材)を処理してダミー材を切断し被膜断面部に正四角錐のダイヤモンド圧子を打ち込み、出来た圧痕の大きさを面積換算式に当てはめて硬度を算出します。

硬度を測る為にはアルマイト処理後ダミー材の切断やレジンへの埋め込み硬化後研磨と測定までに多くの工程がある為、測定結果が出るまで数日掛かります。

 

➂表⾯粗さ測定

アルマイト処理を行う事により面粗さは僅かに悪化(程度は膜厚による)します。悪化の程度は目視や触感では判断出来ない為、粗さ計と呼ばれる表面の平滑度を測定する装置を用いて測定を行います。面粗度は主に試作時や量産開始前の試作時にベンチマーク的に測定を行う事はありますが、変化点が無い限り量産開始後に測定する事はありません。

④外観検査

ミヤキでは大きさや数量に関わらず、基本的に表面の色むら、傷、凹凸、汚れなどの欠陥を全数目視で確認(外観検査)を行ってから出荷しております。

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