2025.04.15 更新
基礎知識
高硬度の皮膜を得るには? アルミ合金別・アルマイト処理適性ガイド

高硬度のアルマイト(陽極酸化)皮膜を得るためにはアルマイトと相性が良い、1000系、5000系、6000系、のアルミ合金の中から適したものを選ぶ事が重要です。それぞれのアルミ合金の特徴については以下をご確認下さい。
Index目次
1推奨できるアルミ合金について
① 1000系 (純アルミ系)
例:A1050、A1100等
特徴
- アルマイト適性が非常に良い(アルミ純度が高いため、不純物による皮膜のムラが少ない)
- 硬質アルマイト処理で高硬度の皮膜を形成可能
- 均一で厚く良好な酸化皮膜が得られる
- 硬い皮膜が得られても素材自体の強度は低い
②5000系(Al-Mg系)
例:A5052, A5056
特徴
- マグネシウムを含み、耐食性が高い
- アルマイト適性が 良好(硬質アルマイトに適している)
- 【注意】A5056はA5052に比べ厚膜には不向き
③6000系(Al-Mg-Si系)
例:A6061, A6063
特徴
- 機械的強度が高く、耐食性もそこそこ良い
- アルマイト適性が 非常に良好(装飾・硬質アルマイトどちらにも向く)
- 硬度については比較的高い硬度が得られる
2選択のポイント
- 高硬度が最優先なら → 1000系(A1050・A1100など)
- 加工性と硬度のバランスなら → 6000系(A6061)
- 耐食性も考慮するなら → 5000系(A5052)
特に、A6061やA5052は硬質アルマイト処理に適し、バランスが良く高い硬度の皮膜が得られます。7000系のアルミ合金は素材強度に優れますが亜鉛(Zn)の含有量が多くアルマイトとの相性が良好とは言い難い為、均一な皮膜を成形しにくいという問題があります。