2024.02.20 更新

【材料置換で軽量化】重金属からアルミニウムへアルミ化のメリットと注意すべきこと。

一般的な金属の特性

 

金属種

比重 溶解温度 モース硬度 コスト 切削性

アルミニウム

2.7

660℃

2.9

安価

マグネシウム

1.7

650℃

2.0

高価

チタン

4.5

1668℃

6.0

極高価

9.0

1,083℃

3.0

高価

亜鉛

7.1

420℃

2.5

安価

7.9 1540℃ 4.5 安価

この表からも判るように重金属に対しアルミニウムの比重は半分以下で溶解温度も低く非常にエネルギーロスが少ない金属といえます。

材料置換の3つのメリット

① 軽量性

アルミは鉄よりも軽量で同じ大きさの製品ならば、必要とされる強度を満たす事が可能ならば軽量化が達成できます。これは、輸送機器や構造物などの軽量化に大きく寄与します。

② 耐食性

アルミニウムは酸素と反応して自然に薄い酸化皮膜を形成し、この酸化皮膜が材料を酸化から守ります。これにより、錆びにくく、耐食性が向上しますが、自然酸化皮膜は非常に薄く耐久性はありません。更に耐食性を向上したい場合はアルマイト処理等の表面処理を施す事により、未処理の鉄とは比べ物に成らない程の耐食性能を持たせ、製品寿命を延ばす事が出来ます。

➂リサイクル性

アルミニウムは容易に再生が可能であり、リサイクル性の高さも特徴の一つとなっています。この点は環境への配慮につながります。

材料置換のデメリット

① 強度

一般的にアルミニウムは鉄よりも強度的に劣ります(特殊なアルミ合金もあります)強度において熱処理を施した鉄には敵いません。高い強度が必要な部品の材料置換を行う場合は緻密な強度計算が必要となります。表面硬度・耐摩耗性のみの要求であれば硬質アルマイト処理を施す事で非熱処理の鉄以上の硬度を持たせる事も可能です。

② 溶接性

アルミニウムも溶接は可能ですが鉄に比べ難易度が高くなります。特に強度が必要な部位を溶接で接合したい場合は最も注意が必要となります。既にアルマイト処理が施されたアルミ製品の溶接難易度は更に高くなります。

実例

自動車を始めとする輸送機器製品においてアルミの採用は活発でホイールやシリンダーヘッド・ブロック・変速機ケース・ラジエーターなどは鉄から代わってきています。高級車やスポーツカーに限ってはボンネットやルーフ等の外板部にもアルミ圧延板が使われ始めています。外板だけでなく骨格も含め車体をアルミ化し軽量化を図る車種も近年増えつつありますが、コスト増の問題で普及モデルでは採用に至っていません。

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まとめ

採用部位をよく検討・分析する事は必要ですが総じてデメリットよりも得られるメリットの方が多いと言えます。

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