
Index目次
概要
「アルマイト処理しているのにアルミが腐食した」
「ステンレスボルト周辺に白サビが出た」
そんなトラブルに悩まされた経験はありませんか?
アルミニウムは軽量で耐食性に優れた材料ですが、
異なる金属と接触した状態で水分や塩分が存在すると、
“ガルバニック腐食(異種金属接触腐食)”が発生する場合があります。
特に、以下のような危険な組み合わせはよく目にします。
- アルミ × ステンレス
- アルミ × 銅
- アルミ × 鉄
などは実際の現場でも非常に多い組み合わせです。
この記事では、
- なぜ異種金属接触で腐食するのか
- アルマイト皮膜でも防げない理由
- 実際に起こりやすい事例
- 設計段階でできる対策
について、現場目線でわかりやすく解説します。
①異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)とは?
異種金属接触腐食とは、電位の異なる金属同士が接触し、
さらに水分や塩分などの電解質が存在することで発生する腐食現象です。
一般的には、
- イオン化しやすい金属(卑な金属)
- イオン化しにくい金属(貴な金属)
が接触すると、卑な金属側が優先的に腐食します。
アルミニウムは比較的「卑な金属」に分類されるため、ステンレスや銅と接触すると腐食しやすくなります。
②なぜアルミとステンレスの組み合わせは危険なのか?
ステンレスはアルミに比べ「貴な金属」です。
そのため、接触すると電位差の為、
アルミ側が犠牲となって腐食が進みやすくなります。
特に注意が必要なのは、以下のような環境です。
【注】ステンレスは鉄とクロム、ニッケルの合金でアルミよりはるかに貴な金属です。
- 屋外
- 海沿い
- 高湿度環境
- 結露が発生する場所
- 塩分が付着する環境
これらの環境では電解質が存在するため、
ガルバニック腐食が進行しやすくなります。
③アルマイトしても腐食する理由
ここで誤解されやすいのが、
「アルマイト処理しているから腐食しない」という認識です。
確かにアルマイト皮膜は耐食性に優れています。
しかし、異種金属接触による腐食を完全に防げるわけではありません。
特に以下の箇所は弱点になりやすくなります。
- ネジ穴
- エッジ部
- 加工後露出部
- クラック部
- 未封孔部
アルマイト皮膜は角部で薄くなりやすく、
タップ内部やエッジ部などでは十分な皮膜性能を
確保しにくい場合があります。
そのため、こうした部位を起点に
局部腐食が発生するケースがあります。
④実際によくある腐食事例
■ステンレスボルト周辺の白サビ
最も多いのがこのパターンです。
アルミ部品をステンレスボルトで締結した際、
ボルト周辺から白サビが発生します。
これはボルト近傍で電位差腐食が発生し、
アルミ側が優先的に腐食している状態です。
締結面の皮膜が締結時の摩擦摩耗で失われ電蝕が発生している事象。
■銅配管とアルミ部品の接触腐食
銅はアルミよりかなり貴な金属です。
そのため、結露や水分環境ではアルミ側の腐食が
急激に進行するケースがあります。
熱交換器や冷却系統では特に注意が必要です。
■海沿い設備での腐食進行
塩分は非常に強力な電解質です。
海沿いでは通常環境よりも異種金属接触腐食が進行しやすく、
アルマイト皮膜の弱点部から急速に腐食する場合があります。
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⑤ガルバニック腐食を防ぐ方法
⑴ 異種金属を直接接触させない
最も効果的なのは、異種金属同士を直接接触させないことです。
例えば、
- 樹脂ワッシャー
- 樹脂ブッシュ
- シール材
などを使用する方法があります。
特にステンレスボルトを使用する場合は、
絶縁部材の有無で腐食リスクが大きく変わります。
⑵ 水分や塩分を溜めない
異種金属接触腐食は、水分や塩分が存在すると進行しやすくなります。
そのため、
- 水が溜まりにくい形状にする
- 海沿いでは定期洗浄を行う
- 結露環境を避ける
など、使用環境への配慮も重要です。
⑶ 海沿いや屋外では特に注意する
海沿い環境では塩分によって腐食が加速します。
通常環境では問題なくても、
屋外設備や輸送機器では
腐食が進行するケースがあります。
使用環境に応じて、
材料や表面処理を選定することが重要です。
⑥アルマイトは「万能防錆処理」ではない
アルマイトは非常に優れた表面処理ですが、
使用環境や異種金属接触条件によっては腐食リスクが残ります。
重要なのは、
- 材料
- 相手金属
- 使用環境
- 形状
- 封孔仕様
を総合的に考えることです。
特に輸送機器や産業機械では、
設計段階での配慮が製品寿命に
大きなインパクトを与えます。
株式会社ミヤキでは、
使用環境に応じたアルマイト仕様の提案や、
高耐食アルマイトの提案も行っています。
異種金属接触や腐食対策でお困りの際は、ぜひ一度ご相談ください。
