カシマコートの色調は潤滑性能に影響がある? 色のバラツキの原因を解説!

1.カシマコートの色調のバラツキは正常?
カシマコートの色は、薄いゴールドから茶褐色まで、処理条件や膜厚によって幅があります。
ただしご安心ください。
色調と潤滑性能(=モリブデン成分の含有量)には直接的な相関関係はありません。
つまり、「色が薄いから性能が劣る」「濃いから耐久性が高い」とは一概に言えないのです。
色調と性能の関係
膜厚が厚い → 一般的に濃い色調になりやすく、耐久性も高い
しかしながら、色調 ≠ 耐久性 とは必ずしも言い切れません
「濃い色=高性能」と誤解されがちですが、実際は膜厚の影響が主であり、色味そのものが性能を示すものではありません。
2.色調にバラツキが出る3つの主な原因
色調に差が出る要因は主に以下の3点です。
①アルミ合金の材質の違い
アルミ合金の種類が異なると、酸化皮膜の発色に大きな影響を与えます。
材質が異なれば同じ処理をしても異なる色味になるのは自然なことです。
②同じ材質でも製造ロットやメーカーの違い
材質が同じでも、製造メーカーや製造ロットが異なると微量元素の差などで色調にわずかな違いが生じることがあります。
③ 処理液の状態や交換タイミング
同一ロット・同一材質でも、処理液の状態により微妙に色味が変わることがあります。
例えば、処理液の交換前後では、成分の上限・下限の違いにより発色が変わることがあります(管理値内ではあるものの)。
イメージで例えるならば「新品のティーバッグと2杯目のティーバッグ」のようなもの。
成分は同じでも抽出される色や濃度に差が出る感覚です。
3. 色調のバラツキを抑えるには
どうしても色調を揃えたいという場合には、以下の工夫が効果的です:
できるだけ同一ロット・同一メーカーのアルミ材料を同時にご支給いただいて
まとめて同一の処理ロットで対応する
特別色調にこだわりがある場合は事前にご相談ください。
4.まとめ
カシマコートの色調は自然なバラツキがあるものとご理解ください。
色の違いは性能差を示すものではありません。
色調に明確な合否基準はなく、通常は一般的な外観検査基準(傷・シミなど)で合否を判断しています。
特別色味にこだわりがある場合は、膜厚や条件管理の工夫である程度調整は可能です。