2026.02.24 更新

アルミダイカストはなぜ腐食しやすいのか? 原因・危険な環境・現場でできる対策

アルミダイカストが腐食しやすい理由を、材料と製法の視点から解説します。 どんな使用環境で腐食トラブルが起きやすいのか、現場で多い事例を整理します。 ダイカスト特有の性質を踏まえた、現実的な防食対策と表面処理の考え方がわかります。

はじめに|「アルミなのに、なぜ?」という疑問

「同じアルミなのに、

ダイカスト品だけ白く腐食しやすいのはなぜ?」

これは非常によくある質問です。

実は、ダイカストは材料・製法・内部構造の特性上、

腐食が起きやすい条件が揃っています。

結論|ダイカストが腐食しやすい理由は「1つではない」

先に結論をまとめると、原因は主に 4つ あります。

  1. 合金元素が多い
  2. 内部に鋳巣・微細空孔を持ちやすい
  3. 表面に偏析層ができやすい
  4. 使用環境との相性問題

以下順番に解説します。

 

原因①|合金元素が多く「電位差」が生じやすい

ダイカスト用アルミ合金には、以下の元素が比較的多く含まれます。

  • Si(ケイ素)
  • Cu(銅)
  • Fe(鉄)

何が問題か?

アルミ母材と合金元素の間で微小な電位差(ミクロ電池)が発生、

その結果、局所的に腐食が進行する

⇒ 純アルミや展伸材より腐食に対して不利な条件が揃っている

原因②|鋳巣が「腐食の入口」になる

ダイカストは高速・高圧鋳造のため、

目に見えない微細な鋳巣や表面直下の連結巣が出来やすい製法です。

ここが危ない

  • 水分・塩分が内部に侵入
  • 内側から腐食が進行
  • 表面処理後でもブリスター現象・白錆が発生

⇒「処理したのに腐食した」原因の多くがここ

原因③|表面偏析層が防食性を下げる

ダイカスト表面には、Siリッチ層、不均一な金属組織が形成されやすくなります。

その結果正常な表面処理を施し難い

  • アルマイト皮膜が不均一
  • ピンホール・局部腐食が発生

⇒処理条件が極めて重要

 

原因④|使用環境との相性問題

特に腐食が起きやすい環境

  • 海沿い(塩害)
  • 高湿度
  • 結露が繰り返される場所
  • 異種金属との接触

ダイカストは「軽量・量産向き」だが「耐環境性は万能ではない」

という前提が必要です。

よくある誤解

❌ アルミダイカスト=アルミだから錆び難い

❌ 表面処理すれば環境は関係ない

❌ 腐食=材料不良

多くは「設計・環境・処理条件」の問題

現場でできる現実的な対策

対策①|使用環境を先に整理する

✅屋内?屋外?

✅塩分・湿度は?

✅異種金属接触は?

⇒ここを曖昧にすると対策は失敗しやすい

対策②|ダイカスト向けの表面処理を選ぶ

一般的な硫酸アルマイトだけでなく、

  • アルミダイカスト専用アルマイト処理(MDコート)ミヤキ公式HPへ飛びます
  • 耐食性重視の化成処理
  • ダイカスト向け耐食コーティング(メッキや塗装等)

など、材料特性と予算に合わせた処理選定が重要です。

アルミの耐食対策はどれを選ぶ?用途別に見るアルマイト処理の違いと選び方

対策③|「完全防食」は狙わない

重要な考え方:ダイカストに展伸材と同じ耐食性を求めない

  • 腐食進行を遅らせる
  • 外観劣化を抑える
  • 機能寿命を満たす

目的に合わせた最適解が重要

まとめ|ダイカスト腐食は「構造的に起きやすい」

ダイカストは腐食しやすい原因を元から持ち、

材料・製法・環境の掛け算で腐食が進む

正しい理解と対策でトラブルは大きく減らせます。

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