2023.10.27 更新

硬質アルマイト処理の特徴 ・応用例 普通アルマイトとの違いまで解説

近年、様々な製品においてアルミ部品の耐摩耗性や耐食性の向上が求められ、その要求に応えるために様々な表面処理技術が進化しています。そのなかでも、硬質アルマイト処理は、今もなおアルミニウム製品において革新的な耐久性をもたらす技術として注目されています。

1.背景

アルミニウムやアルミニウム合金は、その軽量性と優れた加工性とリサイクル性から幅広い分野で使用されています。しかし、表面の耐摩耗性に課題があり、特に機械部品や工業製品など高い耐久性が必要とされるものにおいて、寿命の向上は喫緊の課題でした。

2.硬質アルマイト処理の特徴

硬質アルマイト処理は、通常のアルマイト処理よりもさらに高い硬度の被膜を形成することができます。この被膜は、アルミニウム表面を保護し、摩耗や錆びから守ります。その結果、製品の寿命が飛躍的に延び、メンテナンスの頻度が低減します。
更に耐摩耗性を強化したカシマコートという(株)ミヤキオリジナルの潤滑性硬質アルマイトも幅広い分野で活用されています。

硬質アルマイトと普通アルマイトの違い

普通アルマイト 硬質アルマイト 備考
硬度 HV200前後 HV400前後 ※材質による
色調 無色(無染色の場合アルミの色) グレーから暗褐色 ※材質膜厚により発色差異あり
膜厚 5~10μ前後 20~40μ前後が一般的 ※材質により上限あり
用途 意匠性を求める製品は染色する事が多い 機械部品や摺動部品等の耐摩耗性を目的にする事が多い目的によって処理内容を選択する事が大事

3.応用例

硬質アルマイト処理は、自動車のエンジン部品、航空機の構造部品、工業用ツールなど、耐久性が重要な要素となる製品に広く採用されています。また、スポーツ用具やアウトドアギアなど、過酷な環境下で使用される製品においても耐摩耗性が要求され効果が発揮されています。

4.製造プロセス

硬質アルマイトの製造プロセスは、通常のアルマイト処理において使用されるアルミニウムと酸化膜の形成に加えて、より高い電流密度や特定の処理条件を用いて硬質な酸化被膜を形成します。このプロセスの最適化には、専門的知識と高い技術が必要です。

硬質アルマイト処理は、アルミニウム製品の表面特性を向上させ、耐久性を飛躍的に向上させる画期的な技術として、製造業や技術分野で広く受け入れられています。その効果は、製品の寿命や信頼性向上に寄与し、今後更に技術進化が期待されます。

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