2025.08.05 更新

アルミが腐食しやすい使用環境とは?海辺・高湿度・高温…それぞれの特徴と対策

アルミ製品の耐食性は、使用環境によって大きく左右されます。 特に、腐食が発生しやすい環境では、表面処理選びに工夫が求められます。 この記事では、「海辺」「高湿度」「高温」といった典型的な腐食リスク環境に焦点を当て、それぞれの特性と対策方法をご紹介します。

1.海辺環境(塩害リスクとその対策)

▷ 特徴

海辺では、空気中に塩分(塩化物イオン)が多く含まれており、

金属表面に付着して腐食を促進させます。

特に塩害(海塩粒子による腐食)は、

アルミニウムにとって大きな脅威となります。

▷ 起こりやすい腐食の種類

  • 孔食
  • 隙間腐食

▷ 対策のポイント

  • 高耐食性表面処理であるアルマイト処理を行って耐食性能を高める。
  • 定期的に付着した塩分除去を行う

2.高湿度環境(水分による腐食リスク)

▷ 特徴

湿度が高い環境では、金属表面に常に薄い水膜ができやすく、

酸素や汚染物質と反応しやすくなります。

結露が頻発する設備内部等は特に注意が必要です。

▷ 起こりやすい腐食の種類

  • 全面腐食
  • ガルバニック腐食(異種金属接触による電位差腐食)

▷ 対策のポイント

  • 異種金属との接触を避ける、絶縁材を使用
  • 防湿構造(通気性確保や密閉設計)を考慮
  • 耐湿性を高める:適切な表面処理「アルマイト処理」の選択
  • 内部機器には湿気対策を施す

 

 

3. 高温環境(腐食だけでなく酸化皮膜の劣化にも注意)

▷ 特徴

高温下では、腐食反応そのものも加速され、酸化被膜の劣化が起こります。

起こりやすい腐食の種類

・高温酸化

アルミニウムは空気中で酸化被膜(Al₂O₃)を自然に形成し内部の腐食を防ぎますが、

高温環境(通常300℃以上)では酸化反応が促進され、

厚く不均一な脆い酸化被膜を成形します。

・温度差腐食(熱サイクル腐食)

局所的な温度差により結露→腐食→乾燥→再加熱…

と繰り返すことで腐食が進行。

▷ 対策のポイント

①高温環境の防錆は、シュウ酸アルマイト処理の選択が特に有効

→硫酸アルマイトよりも緻密かつ耐熱性・耐食性に優れた皮膜で、クラックが起こりにくい

シュウ酸アルマイトの詳細はこちらミヤキ公式HP(https://www.kashima-coat.com/products/oxalic/

をご確認下さい。

シュウ酸アルマイトと硫酸アルマイトの違い~用途に合わせたアルマイト処理の選び方~

②冷却設計を工夫し、局所的な高温部を作らない

4.まとめ:「環境に応じた表面処理」がカギ

くれぐれもアルミは錆びない金属だと思わないで下さい。

環境によっては未処理のアルミは、

たったの1日で腐食する事もあります。

腐食は単なる美観だけの問題ではなく、

製品寿命や安全性に大きく関わる重大な課題です。

特に使用環境が厳しいほど、適切な防錆対策が必要不可欠です。

ミヤキでは、過酷な環境下で使用されるアルミ部品向けに、

機能性と耐久性を両立したアルマイト処理のご提案を行っています。

「この環境で長く使える処理は?」というお悩みがあれば、

ぜひ一度ご相談ください。

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