2026.01.06 更新

EPISODE 13

アルマイト皮膜は削れる?割れる?剥がれる?

― ケミス博士とトリーの簡単解説 ―

アルマイトについて調べていると、「剥がれない処理」という説明と、

「使っていたら剥がれた」という話、どちらも目にすることがあります。

結局どっちなのか?

そんな素朴な疑問を、ケミス博士とトリーが、やさしく説明します。

博士、アルマイトって「剥がれない」って聞きますが・・・。

そうじゃな

でも実際には「剥がれた」って話、よく聞きますよ?

それも事実だね、
今日はそこを整理しよう

まず結論からお願いします

最初に結論を言うよ

お願いします

アルマイト皮膜は、使っているうちに
「削れたり」「割れたり」することはある

ただし、塗装のようにペリッと剥がれるものではない

もう少しわかりやすくお願いします!

①削れる?

まず、削れますか?

削れる

え、皮膜なのに?

アルマイト皮膜は硬いが、無敵ではない

どういう時ですか?

主に摺動部や、
繰り返し当たる部分じゃ!

削れたらどうなりますか?

皮膜が失われて、中のアルミが露出する

それを
「剥がれた」って言いがちですね

その通り

②割れる?

では「割れ」はどうでしょうか?

条件次第で割れる

条件?

このような条件じゃ

  • 曲げたり歪ませる
  • ピン角部
  • 熱による膨張
  • 素材の肉厚差大
  • 成形時の残留応力大

硬質アルマイトなら大丈夫ですよね?

少し待ちなさい

イメージして下さい

何でしょうか?

ガラスと透明アクリル

あ!
ガラスは割れやすい

硬質アルマイトは、ガラスのように硬いが、
しなりにくい皮膜じゃ。

白アルマイトは?

透明アクリルのように、
少しの変形ならば受け流せる

だから白アルマイトの方が
割れにくいんですね。

③剥がれる?

では一番聞きたい事です
剥がれることはありますか?

業界では「剥がれた」と表現する事が多々ある

はい、
良く聞きます

でも、それは現象の呼び名であって、
原因ではない

どういうことでしょう?

④「剥がれ」の正体

製品の使用中に「剥がれた」と言われる時は、
以下のどれかに当てはまる事が多い。

  • 摩耗して皮膜が無くなった
  • クラックが入り皮膜が欠けて欠落した

どれも
「剥がれ」って言われる事がありますよね

そうですね

共通点はどれも母材が露出する

⑤塗装やメッキとは違う

塗装やメッキのように、
膜が浮いてペリッとはがれることはありますか?

基本的にはない

何故ですか?

アルマイト皮膜は、
アルミ自体が変化してできた層だからじゃ!

だから
「密着不足で剥がれる」事は無いのですね

その理解でOKじゃ!

例外として強アルカリ等の特殊な薬品等の環境下では
皮膜が溶解し、剥離する事はある

このような場合に限って剥がれた(溶けた)と
表現しても間違いではない

アルマイトって、結局剥がれるんですか?
剥がれないんですか?

構造としては剥がれない。

しかし、使っているうちに、
削れたり割れたりして、
剥がれたように見えることはある。

⑥まとめ

整理すると?

以下の通りじゃ!

  • 削れる → ある
  • 割れる → 条件次第
  • 剥がれる → 一般的に母材が露出する現象の総称

「剥がれ」って原因じゃないんですね

何が起きたかを考えるための、最初の言葉じゃ

ケミス博士のひとこと

アルマイト皮膜のトラブルは、
「剥がれた」で終わらせず、
なぜそう見えたのかを考えることが大切です。

※本記事では、アルマイト部品の使用中に起きる

現象を中心に解説しています。

アルマイト処理中に発生する事象の剥がれについては、 別の原因の場合があります。

アルマイトの基本については

株式会社ミヤキの公式HPのこちらのページで(https://www.kashima-coat.com/about/alumite/) で

詳しく解説しております。併せてご確認下さい。

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