2024.03.08 更新

おしえて!ケミスとトリー

EPISODE 02

美しくマルチな裏方

放熱性は自由自在

博士、今日もアルマイトの優れた機能について
解説の続きをお願いします!

やぁトリーさん、前回からの続きをお話しようかのう。
3つ目の特徴は熱伝導性のコントロール!
アルマイト被膜は厚膜化する事で遮熱効果が上がるのだ!

熱を遮るなんて、すごい機能ですね!
保温性も高そうだから、着たらあったか(妄想)

(トリーさん…妄想が声に出てる……)
逆に薄膜にすると熱伝導を向上させる事も出来る、
膜厚次第で熱伝導のコントロールが出来る便利な表面処理なんだ!

えっ!放熱性が上がる?

アルマイトは遠赤外線放射が上がる特性も併せ持っているからなんじゃ。
この話は長くなるので別の機会にしよう!
(放熱性の記事はこちらからどうぞ

美しいだけじゃない

4つ目は美観と機能の向上についてじゃ。
アルマイト処理で、アルミニウムの表面に多くの色や仕上げをする選択肢を提供する。
下の写真は、カシマコートを施したアルミニウムじゃよ。

カシマコート(https://www.kashima-coat.com/products/kashimacoat/


すごーい!光り輝いてますねっ!!
でも美しさなら塗装やメッキも負けてませんよ!

あわてるでない!
アルマイトは他の表面処理とは全く違う質感や機能を持たせる事が出来るのだ!
例えば、カシマコートには「潤滑性」という機能がある。

美しさ機能を待たせる事が出来るとは、すごいですね〜
私、惚れ直しました(≧▽≦)

アルマイト被膜の表面にはポアと呼ばれる小さい穴が表面に無数にあり、
この中に染料を入れると染色される。
例えばポアに潤滑性物質であるモリブデンを入れると耐摩耗性を更に向上させるカシマコートになる。

……………
す…すばら…
しいですね。

…ほんとにわかった?
じゃあ次いくよ、最後は塗装の密着性向上についてじゃ。

塗料がしっかり着いているから、いつまでもキレイ

塗装密着って事は塗装下地の事ですか?
他の効果と比べると地味ですね。

そんな事は無い!凄く大事な事じゃ!
アルミ製品の美観を高める為に、塗装をする事は一般的じゃ。
過酷な環境で使う製品だとブリスター現象と呼ばれる
塗装表面が浮いてくるフクレが発生する事がある

そうなんですね。
でもその話と、アルマイトとどんな関係があるんですか?

この厄介な現象の原因は塗装の密着が悪い時に起るんだ。
塗装の密着を上げる方法は様々だが、
アルマイトはアルミの表面を、適度に荒らすから塗装が密着し易くなるんだ。

表には立たないけれど、目立たない所で頑張っているんですね。
影の立役者みたい

影の立役者だなんてとんでもない!
塗装の際には不可欠な技術じゃ
さらに耐食性も上がるから一石二鳥でむしろ主役じゃ

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EPISODE 10 被膜と皮膜の違いを解説します。アルマイトは皮膜?被膜?どっち?

EPISODE 09 ジュラルミン系のアルミ材は腐食しやすい?特に注意するべきポイントと対策について!

EPISODE 08 アルマイト皮膜の放熱特性-後編-

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