2024.11.19 更新

カシマコートの色調は潤滑性能に影響はありますか?バラツキの原因を解説します!

カシマコートをオーダーしたら以前と微妙に色が違ったという経験をされる方も稀にいらっしゃるかと思います。カシマコートの色のバラツキはどのような原因で起こり、問題が無いのかについてこの記事を読めば理解出来るかと思います。

Ⅰ.カシマコートの色調のバラツキは正常なのか?

カシマコートの色調は薄いゴールドから茶褐色まで膜厚や諸条件により発色は微妙に濃淡が御座います。しかし、色調とモリブデン成分の量に相関関係は無く、色調が薄いから耐久性が劣る等という事はありません。膜厚は色調と耐久性それぞれに相関関係が成り立ちます。

つまり、『膜厚多め=高耐久』、『膜厚多め=濃色調』ということが言えます。

ここで勘違いしがちなのが『濃色調=高耐久』とは言い切れない事です。

Ⅱ.色調のバラツキの原因

➀アルミ合金の材質が変わればもちろん色調は大きく変ります。

➁同じ材質でもアルミ合金の製造ロットやメーカーが変われば色調に微妙な影響を与える事があります。

➂同一ロットの材料で処理条件が同じでも処理のロットにより色調が微妙に違う原因は処理液の入れ替えのタイミング等も要因の一つとなります。管理値内で処理液を管理する為には必ず処理液の入れ替えが必須となります。処理液の交換直前と交換直後では管理値内ではありますが、各成分上限・下限微妙な差があります。

少し無理がありますが、あえて例えるならば新品のティーバッグと2杯目のティーバッグのようなものでしょうか。成分は同じですが、微妙に違います。

対策

色調をどうしても統一する必要がある場合は出来るだけ一緒に同一ロットの素材を支給頂いてカシマコートの処理ロットを変えない工夫が有効です。(可能な限り材料ロット含む全ての工程をまとめる)

Ⅲ.まとめ

カシマコートの色調については色見本がある訳では無く出来栄え評価も膜厚はあっても色調については特別な取決めがある製品を除けば、傷・シミ等のアルマイトにおける一般的な検査基準で管理しているために、色調で不合格品となる事はまずありません。

カシマコートの色調は非常に特徴的で象徴的なイメージですが、副次的効果である為、色調そのものが評価基準とはなっていません。どうしても濃い目が良い場合は膜厚を少し厚目にする事をお勧めします。

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