ジュラルミン系のアルミ材は腐食しやすい?特に注意するべきポイントと対策について!
ジュラルミン材は大きく分類すると3種類程あり共通の特徴は強度に優れる事です。
しかし純度100%のアルミに比べ残念ながら耐食性が劣ります。弱点である耐食性を補う為には適切な防錆処理を行う必要があります。
1.ジュラルミンとは
博士、ジュラルミンというアルミ合金とは何でしょう?特徴を教えて下さい!
ジュラルミンと呼ばれるアルミ合金には主に次のような種類(A2017・A2024・A7075)があるのじゃ!
高強度のアルミニウム合金であり、主に高い強度が求められる環境などで使用されておるのじゃ!
超々ジェラルミン(A7075)はもはや鉄やステンレスを凌ぐ強度があるなんてビックリです!
①ジュラルミン材メリット
A7075・A2017・A2024等のジュラルミン(超ジュラルミン、超々ジュラルミン等)は、Cu・Mgを添加した高強度のアルミニウム合金であり、主に航空宇宙産業や高性能スポーツ機器などで多く使われています。以下はその主要なメリットの特徴です。
・ 高強度
ジュラルミンの中でも超々ジェラルミンと呼ばれるA7075は、数あるアルミニウム合金の中でも特に高い強度を持つアルミ合金です。引張強度や耐摩耗性に優れており、構造部材として非常に優れています。
・軽量
高強度にもかかわらず、アルミニウムの特徴である軽量性を保持しています。そのため、航空機の機体やスポーツ用品など、軽さが求められる分野で広く使用されています。
・加工性
鍛造、切削加工が比較的容易であり、複雑な形状の部品を製作することが可能です。加工難易度は以下の順です。A2014 <A2017<A7075
・熱処理性
熱処理によって強度や硬度を大幅に向上させることができます。T4~T6状態(溶体化熱処理および人工時効処理)が最も一般的で、熱処理によって高い機械的特性を発揮します。
②ジュラルミン材のデメリット
非常に魅力的な性能を備えたジュラルミンじゃが、3つだけ欠点があるんじゃ!
・溶接性
A5052等に比べ溶接性が非常に悪く、溶接加工には不向きです。アルミ合金は融点が低い為溶接には高い技術力が必要とされます。溶接難易度の高いアルミの中でもジュラルミン系は特に難易度が高いと言えます。
・価格
非常に魅力的な機能を多く持った材質ですが、コストは他のアルミ合金より高額となります。
高い強度が要求される場所に限定して適用すれば対策できますね!
・耐食性
Cu(銅)が多めに添加される為、表面の粒界腐食や応力腐食割れ等、耐食性に劣るといった欠点があります。
使用環境を考慮し、適切な防錆対策を行えば、対策する事も可能じゃ!
2.ジュラルミンの防錆対策
アルミは空気中の酸素と触れただけで酸化し、酸化膜が自然に出来て少しくらいの湿度で腐食する事はありませんよね!ジュラルミンはなぜ耐食性に劣るのですか?
それはジュラルミンのデメリットで説明したようにCu(銅)を多く添加されている為なんじゃ。強度を上げる為には最適な金属ではあるのじゃが・・・。銅はアルミよりも電位が高い金属である為、ガルバニック作用が起るんじゃ!
この記事で説明している事ですね!
ガルバニック現象で腐食が起っているのでしたら加工が終わり次第防錆油で空気に触れないよう保護しないと大変ですね!
その通りじゃ!防錆油は恒久的な対策ではなく耐食性を持ったコーティング処理を行うまでの一時的な処置じゃが、梅雨時期や台風シーズン等湿度が高い季節は特に注意が必要じゃ!
温度管理された加工施設から真夏の暑さの外気に触れただけで結露が起ると思ったほうが良い!湿度80%程度の時は温度差が3℃でも結露を起こすのじゃ!
ああ、そんな事が起きれば1日で腐食してしまう・・・。
そうならない為には1日も早くアルマイト処理をする必要がありますね!
A7075材とアルマイト処理の相性はあまり良いとはいえないのじゃ!
メーカーによって出来る出来ないがあってのぅ・・・。
では、化成処理や塗装で対応しろと仰るのですか?耐摩耗性や硬度も必要です!
しかし、(株)ミヤキならジュラルミン系全て対応が可能じゃ!
さすが、アルマイト専門メーカーですね!