2024.03.08 更新

おしえて!ケミスとトリー

EPISODE 04

アルマイト処理の注意点!面粗さの悪化と異種金属のNG事例をわかりやすく解説

こんにちは、助手のトリーです!
今回は「アルマイト処理の注意点」について、ケミス博士に教えてもらいます!

面粗さが悪化する?アルマイトの意外な弱点

アルマイトって見た目もきれいになるし、万能な処理って感じがしますけど…
「面粗さが悪化する」って本当ですか?

うむ、それが盲点じゃ。
実は、アルマイト処理を施すとアルミ表面の面粗さ(Ra値など)が悪化することがあるんじゃよ。

でも前に「アルマイトで塗装が綺麗にのりやすくなる」と言ってませんでした?

それは第二話で話した通り、適度な粗さが必要な場合もある
ただし、精密機構部品などでは「粗くなりすぎるとNG」な場面も多い。
だから素材や処理条件をしっかり選ぶ必要があるのじゃ。

面粗さを抑えたいなら「シュウ酸アルマイト」も選択肢!

じゃあ、面粗さを悪化させない方法ってあるんですか?

あるぞ。それがシュウ酸アルマイトじゃ!

シュウ酸アルマイト(https://www.kashima-coat.com/products/oxalic/

シュウ酸アルマイトの特長

  • 通常の硫酸アルマイトよりも、面粗さが抑えられる
  • 寸法精度や滑らかさが求められる部品に向いている
  • 初期表面状態が良好であれば、処理後もなめらかな仕上がりが得られやすい

※なお、厚膜の硫酸アルマイト処理(例:硬質アルマイト)では、処理後に研磨して寸法や面粗さを調整するケースもあります。
この場合は、十分な膜厚(研磨代)を確保しつつ、後加工の余裕を考慮した設計が必要です。

こんな感じで対応すれば
滑らかな面粗さのアルマイト皮膜も得られるのじゃ!

なるほど~。じゃあ
「カチカチでツルツルなアルマイト」も工夫次第ってことなんですね!

アルミ以外の金属が混在するとトラブルの元!

ところで、アルマイト処理ってアルミ以外の金属が付いていたらダメって聞いたことあります。

その通り。アルマイト処理はアルミニウム専用の処理なんじゃ。
鉄やステンレスなどの異種金属が組み付いた状態だと、トラブルが発生する。

具体的にはどうなるんですか?

よくある質問が「ヘリサートを入れたまま処理できますか?」というやつじゃが、
答えは絶対にNGじゃ!

  • 処理中に異種金属が溶解する
  • 部分的に残った場合、外れなくなり仕上がりが不均一になる
  • 溶けた金属の成分により処理液自体が汚染されてしまう
  • 処理液を全交換しないとその後の処理の品質が安定しなくなる

うわぁ…それはコストも時間もかかっちゃいますね。

アルマイト処理は「段取り」が重要!

アルマイト処理は、単に「処理する」だけではありません。
素材の選定・構造設計・部品の組み立て状態など、あらかじめ考慮すべき点がたくさんあります。
たとえば――
• 処理前に異種金属を取り外しておく
• 面粗さが問題になるならシュウ酸法を検討
• 寸法が厳しいなら研磨工程と組み合わせた設計を検討
こうした判断は、経験豊富な処理業者でなければ難しいのです。

まとめ:信頼できる専門メーカーに相談しよう

アルマイト処理は奥が深く、正しい知識と技術がなければトラブルを招いてしまうこともあります。
だからこそ、信頼できるアルマイト専業メーカーに相談することが成功のカギです。

その点、ミヤキさんなら安心ですね!

うむ。実績と技術で選ぶなら、間違いないぞ!

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