2024.03.08 更新

おしえて!ケミスとトリー

EPISODE 03

アルマイトに弱点はあるのか?

熱膨張に注意せよ

アルマイトが凄いコトはよく解りました。
さすが最強の表面処理ですね。

でも、弱点もあるんじゃ。
アルマイトにはたくさんのメリットがあるけど、いくつか注意が必要な事も5つだけある!
① 熱が高い環境でクラック(割れ)が発生する
② 剥離再処理(修復)が困難
③ 面粗さが悪化する
④ アルミ以外の金属が付いていると一緒に処理が出来ない
⑤ プロセスが複雑で繊細な管理を必要とする

まず、一つ目は「熱膨張」に弱い

えっ!熱に弱いのですか?

熱に弱く無いが、アルマイトは地金のアルミより何倍も硬く、
熱膨張を起こし難い特性があるのだよ!
熱によってアルミが膨張してもアルマイト被膜は膨張しないから割れてしまうんだ。

例えると殻付き卵を電子レンジで加熱すると
中身の水分が沸騰し膨張しても逃げ場が無くなって爆発するね?

爆発、怖いですね……

アルマイトの割れやハガレも同じような原理だよ。
アルミが加熱により膨張してもアルマイトは膨張率が低いから、
やがてアルマイト被膜を割ってしまうのだ。

さすがのアルマイトも、これにはお手上げですね。

剥離の修復は、ゼロベースよりも大変

2つ目に剥離再処理(修復)が困難な事も覚えておきたまえ!

了解です!
修復が困難だということは、やり直しができないんですね。

厳密にいうと出来なくは無いが…
メッキや塗装のように、剥がしてもう一度コーティングする場合、注意が必要なのだよ。
アルマイト皮膜の構造は浸透膜厚(母材のアルミニウム自体が変質する)と成長被膜の2層となっていて、
浸透被膜まで剥離すると元の寸法よりも小さく痩せてしまうんじゃ。
厳密にはアルマイト処理前の寸法に戻す事は出来ないのだよ。
外観を綺麗にするだけなら気にする必要は無いが……寸法の管理は出来ないと思いなさい。

……………了解しました。
剥離再処理ができないコトを覚えておきます。

分かればよろしい…

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