2024.04.26 更新

アルマイト皮膜の絶縁性と膜厚の関係について

そもそもアルミニウムの陽極酸化処理は、高耐熱の絶縁被膜の開発から誕生しているだけに高い絶縁性があります。 アルマイト被膜のバリアー層は絶縁被膜である為、アルマイト処理を行った製品は導電しません。この絶縁性はメリットでもありデメリットでもあります。 導通が必要な製品においてはマスキングや処理後の加工で被膜を除去する事が必要となります。

1.アルマイト被膜の構造について

アルマイト被膜の構造は多孔質(ポーラス)層/バリアー層の2層構造となっていて

ポーラス(微細孔)の大きさは材質や条件によって変化します。ポーラスは電解処理の時に出来た孔で絶縁性はありません。通常ボアー内はアルミの水和物で満たす封孔処理を行います。

2.絶縁性(耐電圧)を上げる為には

膜厚を上げる事で耐電圧の向上が見込めます。

アルマイトの絶縁性能は10 ~ 60V/μ程度の耐電圧があると言われています。

膜厚が厚いほど耐電圧は向上しますが、被膜にクラック(皮膜割れ)が入るリスクが高くなる為、必要以上に膜厚を厚くする事はお勧めできません。

未封孔の状態では十分な絶縁性能は期待できません。封孔処理を行う事で耐食性と絶縁性は向上しますが、硬度は少し低くなる傾向が現れます。

また、シュウ酸アルマイトは硫酸アルマイトに比べクラックが入り難い事とナノポーラスの形状がやや複雑な為一般的な硫酸アルマイトに比べ耐電圧に優れる傾向があります。

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