やぁ、トリーさん。今日も元気いっぱいだね。
そうかね、ワシが言っていた通り、最強はアルマイトじゃろ？

そうか、そうか。私の研究も無駄ではなかったということだね。
良かった、良かった……

……どうかしたかね？

まず、アルマイトはアルミの表面処理では最強の表面処理の一種じゃ。
アルマイトには以下のような5つの効果が期待出来る！
（1）耐摩耗性の向上
（2）耐食性の向上
（3）熱伝導性のコントロール
（4）美観の向上
（5）塗装密着性の向上

ズルいってワシに言われても困るわい……
なんなら控えめに言って5つじゃ。他にももっとあるぞ。
アルマイト処理で形成される皮膜はとにかく硬度が高く、耐摩耗性に優れている！
そういうことじゃ。

その通り！
非熱処理の鉄の硬度を凌ぐ硬さも実現できる！

興奮するのはわかるが、言葉遣いは気を付けようね。
次は錆についてじゃ。
この記事『【材料置換で軽量化】重金属からアルミニウムへアルミ化のメリットと注意すべきこと。
』も参考にするとよいじゃろう。

良い質問じゃ。
誤解されることも多いが、アルミは非常に錆びやすい金属なんじゃ。
アルミには、空気中の酸素と簡単に結合して、とても薄い酸化被膜を形成する特性があるのだ！
この自然にできる酸化被膜のおかげで一定期間アルミは保護されて綺麗に保たれている。

あれ？

とにかく、アルミは皮膜ができて錆が悪化しにくいということじゃ。
じゃが安心してはならん‼
自然に出来た酸化膜の耐久性は低く、水や塩分に曝される環境では簡単に破壊され
白いスポット状の錆（白錆）が発生してしまうのだ！
更に放置し悪化するとアルミ自体に穴が開く孔食（こうしょく）と
呼ばれる現象が発生する。ここまで来ると末期状態。
もう使い物にならんじゃろう……

トリーさんはすぐに金属に感情移入するのう……
錆びてしまう前なら、アルマイト処理を行う事で圧倒的に強い耐食性被膜を得る事が出来る。